
    《質問》~
    ●「腰部脊柱管狭窄症」と「椎間板ヘルニア」の違いって何ですか?
    ●「腰部脊柱管狭窄症」に「椎間板ヘルニア」も含まれる…と考えては間違いでしょうか?
    
    〈回答〉~
    ⦿「腰部脊柱管狭窄症」とは・・・
    背骨に通っている、"脊柱管"という神経を囲んでいる管が狭くなって
    神経を圧迫して足・脚(下肢)の痺れや痛みが起こる状態を招いています。
    
    原因:加齢やすべり症等による変性や病気等により、その様な状態に陥ります。
    
    ⦿「腰部椎間板ヘルニア」とは・・・
    背骨の骨と骨の間にあるクッション(椎間板)の中身”髄核”が
    はみ出して(ヘルニアして)脊柱管内の神経を圧迫して、足・脚(下肢)の痺れや痛みが起こる状態を招いています。
    
    原因:元々、劣化傾向のあった椎間板の”繊維輪”と呼ぶ、木の皮の様な部分に
    腰椎のつなぎ目(椎間板)に掛かる急激な圧力変化で、”髄核”が移動した際に”繊維輪”に ひび割れが起きて”髄核”がはみ出てしまい、それによって神経が圧迫を受ける状況に陥ってしまったのです。
    
    ※簡単に言うと神経の通る管自体(脊柱管)が何らかの理由で、狭くなってしまったのが「脊柱管狭窄症」で、
    外から圧迫(髄核がヘルニアしたモノで…)して、神経の通り道を狭くしているのが「椎間板ヘルニア」です。
    
    ※”椎間板ヘルニアが原因”で、「腰部脊柱管狭窄症」を起こす事もあります。
    
    ※しかし、「椎間板ヘルニアでない腰部脊柱管狭窄症」の方が多発します。
    
    ※むしろ、「分離・すべり症」が合併している・・・「それが原因になっている」場合の方が多発し易いです。
    
    
    ぁぁぁぁ・・・・っと、しまったぁぁぁぁ、忘れるトコでした・・・ 大切なコトをお伝えします。
    
    整形外科のお医者さんを中心に 一般医学的解釈からの「脊柱管狭窄症」と、「私がお話ししている脊柱管狭窄症」は
    同一の症状ではありません。
    といいますか、
    「脊柱管狭窄症」のパターンが大雑把に“2パターン”あるのです。
    で、
    一つは いわゆる、①整形外科のお医者さんを中心に 一般医学的解釈からの「脊柱管狭窄症」で、
    上記の説明の状態です。
    ●こちらのパターンの最大特徴は「間欠性跛行」と呼ばれる「数メートルから10数メートル歩くと脚が痛くなって歩け無くなり、少し休むとまた、復活して少し歩ける」という症状です。
    
    もう一つが ②私のホームページの 『症状別施術の特徴・腰部脊柱管狭窄症でお悩み方へ』で説明している状態です。
    ●こちらのパターンの最大特徴は「千切れる様に両脚が痛い!!」です。
    ①の方は 脊柱管を外部から圧迫している状態ですが
    ②の方は 脊柱管の内部での狭窄状態です。
    ①の方は “レントゲン・CTスキャン・MRI等で確認”出来ます。
    ②の方は “物的証拠としての確認がとれない…つまり、客観性が無い⇒科学的でない・・・”
    といわれる領域の異常なので、お医者さん方は「意に介さない…」ようです。
    
    ●「脊柱管」は 背骨が連結してできるトンネルですが、その骨のトンネルに膜が付いているので
    “脳”から出て来た”脊髄”は “膜”に覆われていて、”髄液”と呼ばれる液に浸り、守られている訳です。
    その膜の内壁が肥厚して、神経に圧を掛けて来るのです。
    二本足で立っている関係上、負担が掛かり易く 脊柱管の”下の方の内壁ほど肥厚しやすい”のです。
    この発症メカニズムの関係上、いわゆる「坐骨神経痛」状態の出方が
    「腰部脊柱管狭窄症」の場合、両側に下肢症状が出て来ます。
    “脚がちぎれる様に痛い。”・”腰の痛みはほとんどない。”と、なります。
    
    ●神経からの痛みの感じ方として、『大感覚優位性』というのがありまして、
    「大きい・強い痛みで、小さい・弱い痛みは打ち消されて、分からなくなってしまう…」
    という、方向性がある為です。
    
    ●①のパターン、②のパターンどちらでも
    外見的と言いますか、患者さんの自覚症状は似た感じになります。
    つまり、患者さん的には どっちのパターンなのか?良く分からない・・・となります。
    
    で、この「脊柱管狭窄症」の特徴が「椎間板ヘルニア」との違いともなります。
    
    ※ただし、①のパターンの外部からの圧迫パターンの「椎間板ヘルニア」の場合には
    「椎間板ヘルニア」の症状・・・片側のシビレや痛み、脚の母指(親指)の筋力低下(力が入らない)を
    呈します。
    ですから、違いが無い・・・同じ場合も在り得ます。」と、なります。
    
    ※「脊柱管」という”管”を外側から圧迫するのが①のパターンで、「椎間板ヘルニア」も含まれますが、
    「脊柱管」という”管”の内側で圧迫するのが②のパターンです。
    
    これは『関節の異常の時』にも、似た分類をするのですが
    「関節包」と呼ばれる”膜組織”が 各関節にはついているのですが、
    この「関節包」の"外側”を「関節外」、”内側”を「関節内」と、”捉え分ける”のです。
    
    この話は 又、必要な機会(四十肩/五十肩の話)にご説明しますが、とても”似通った捉え分け”です。
    
    ※「脊柱管狭窄症」の定義の解釈・・・と云う部分になってくるかとは思いますが、
    以前から、時々お話ししている様に・・・
    
    私は「症状ではなく、状態を観て、視て、診る。そして、看る。」
    
    だから「その状態を改善⇒より良い状態に持って行く。」
    
    それが『私の役割』です。
    
    ですので、
    ◉「傷病名」が先に存在しているのではなく、あくまでも 状態・症状が先に在り
    “それら”を整理・分類して、”命名…定義付けしたモノ”が「傷病名」です。
    そして、その定義付けを「診断」と呼びますが、それは医師の方々の仕事です。
    
    お話が少し逸れましたが・・・あっ、いつものコトですね(苦笑)
    
    とにかく、早く患者さん方に楽になって頂くための
    
    『原因と結果にもとずく、原因と結果の合っている治療』を目指しています(笑顔)
    
    その為の『理論と方法』です。